甲山(かぶとやま、標高309m)は兜(かぶと)の形を呈することから名付けられた西宮の霊山で、古代より崇敬を集めてきた。山頂付近の神呪寺(かんのうじ)は天長9年(832年)に淳和天皇の妃・如意尼の発願で弘法大師空海が開いたと伝わり、甲山信仰の中心となった。甲山寺は山麓にあって神呪寺と連なる弘法大師信仰の霊場として機能してきた。江戸時代中期の安永年間(1772〜1781年)、月海上人が四国八十八箇所を模して摂津国八十八箇所を開いた際に第71番札所として指定された。昭和55年(1980年)に霊場が再興され、鷲林寺(第72番)・法輪寺(第73番)とともに西宮北部の山岳巡礼路の核を担っている。