柴屋寺(吐月峰柴屋寺)は、室町時代後期から戦国時代にかけて活躍した連歌師・宗長(1448〜1532)が、晩年に駿河国丸子の地に結んだ草庵を起源とする臨済宗の小庵である。宗長は今川氏との縁が深く、駿河に拠点を置きながら全国を旅して連歌を詠んだ。晩年はこの草庵に落ち着き、月見の宴を催すなど風雅な生活を送ったと伝わる。庭園は宗長自身が愛でた竹林・池・石組みの構成を今に伝えるとされ、後世に「吐月峰」の雅号が付された。江戸時代以降、文化人や俳人たちが訪れる名所として知られ、月見の地としての評価が高まった。近代に入り、庭園の歴史的・文化的価値が広く認められ、国の名勝に指定された。現在も臨済宗の寺院として法…