洞慶院は静岡市葵区羽鳥に位置する曹洞宗の寺院で、創建は室町時代に遡るとされるが、詳細な開創年は明らかでない。安倍川流域の山麓という地の利もあり、中世より禅宗寺院として地域の信仰を集めてきたと伝わる。近世には徳川政権下における寺院体制の整備とともに曹洞宗寺院としての組織が固まり、歴代住職によって伽藍や境内の維持が図られてきたとされる。近代以降も地域の菩提寺・祈願所としての役割を担い続け、境内奥には歴代住職の墓や古い石仏群が残り、長い歴史の堆積を今に伝える。また、境内に広がる梅林は「静岡随一の梅の名所」として知られ、早春に数百本の紅白の梅が咲き誇る風景は多くの人々に親しまれ、禅刹としての静謐な霊域…