神亀2年(725年)に行基菩薩が関東巡錫の折に自刻の如意輪観音像を安置して開創したと伝わる、渋谷区最古の寺院。正式には観谷山聖輪寺と号する真言宗豊山派の古刹で、本尊の如意輪観世音菩薩像は行基作と伝え、両眼に黄金を嵌入していたことから「金目観音」とも呼ばれた。この金の両眼を盗もうとした賊が堂内で即死したという伝承が室町期の随筆に既に見え、以後も霊験あらたかな観音として広く信仰を集めた。慶安4年(1651年)に奈良長谷寺の末寺となり、真言宗豊山派の東国拠点の一つとして栄えた。江戸三十三観音霊場第13番札所、御府内八十八ヶ所霊場第10番札所を兼ねる霊場として、参詣者が絶えない。境内には行基手植えと伝わる巨椎の大木(戦災で焼失)の跡や、文化財級の板碑が残り、渋谷の都市化の只中にあって奈良・平安の仏教伝来の残響を今に伝える稀有な空間。JR千駄ケ谷駅から徒歩7分、北参道駅からも徒歩8分。