羽田はかつて多摩川河口に開けた漁村であり、江戸時代には江戸前の魚介類の主要な漁場として栄えた。その羽田6丁目に鎮座する水神社は、罔象女神(みつはのめのかみ)を祀り、水と漁業の守護神として漁師たちの篤い信仰を集めてきた。罔象女神は水を司る女神であり、農業用水・雨・川・海の恵みと災厄を支配する神として古代より信仰された。羽田の漁師たちは漁に出る前に水神社に参拝し、水難除けと大漁を祈った。昭和29年(1954年)の羽田空港拡張によって旧漁村の多くが空港用地に転換され、漁業は衰退したが、水神社はその歴史を今に伝える場として残り続けた。かつて多くの漁師が祈りを捧げた社殿は、現代の羽田においても、海との絆…