移情閣は大正4年(1915年)、神戸在住の華僑実業家・呉錦堂が舞子公園内に建設した六角形三層の洋風建築である。呉錦堂は日中両国にまたがる事業を展開した篤志家であり、当建物は彼の別荘として用いられた。中国革命の父・孫文は明治から大正にかけて神戸を幾度も訪問し、当地で辛亥革命(1911年)を支援する日本人志士や華僑たちと交流を深めたとされる。大正13年(1924年)には孫文が神戸において著名な「大アジア主義」演説を行い、日本と中国の連帯を訴えた。その後、建物は用途の変遷を経て長らく保存・管理されてきた。昭和59年(1984年)には国の重要文化財に指定され、孫文と日本の深い交流を記念する「孫文記念館…