荒津大神は、福岡市中央区の荒津山(現・西公園)に鎮座する古社で、創建年代は定かでないが、古代より玄界灘・博多湾の守護神として海民や漁師・船乗りたちの信仰を集めてきたと伝わる。荒津の地は博多湾に突き出た丘陵であり、古来より海上交通の要衝として認識されていたとされる。中世には博多を拠点とする商人や渡航者が航海安全を祈願した聖地として機能したと考えられ、博多の海洋交易文化と深く結びついてきた。近世、福岡藩(黒田氏)の時代には周辺の地域整備が進み、荒津山一帯は緑豊かな景勝地として知られるようになった。明治時代以降、荒津山は西公園として整備され、市民の憩いの場となる一方、荒津大神は引き続き地域の守護社と…