藤次寺は大阪市天王寺区生玉町に位置する高野山真言宗の寺院である。創建は平安時代に遡ると伝わり、弘法大師空海(774〜835年)を宗祖とする高野山真言宗の法流を受け継ぐ。「藤次」という寺号は開基または再興者の名に由来するとも伝えられる。天王寺区は聖徳太子が推古天皇元年(593年)に建立した四天王寺の門前に広がる地域であり、古代から仏教信仰の中心的な場所であった。真言密教の流れをくむ寺院としては、境内に不動明王・弘法大師像が安置されることが多く、厄除け・祈祷の霊場として近隣住民の信仰を集める。江戸時代には幕府の公認のもとで檀家制度に組み込まれ、地域の法要・葬儀を担う菩提寺として機能してきた。