神奈川県大和市つきみ野に鎮座する稲荷神社で、宇迦之御魂神(倉稲魂命)を主祭神として祀る。農業の神・商売繁盛の神として全国に約32,000社が鎮座する稲荷信仰の分社で、朱塗りの鳥居と狐の石像が特徴的な社である。つきみ野の農村時代、境川沿いの水田では稲の栽培が営まれ、稲荷神は農民たちの最も身近な神の一つであった。毎年春の種蒔きと秋の収穫には稲荷神社に参拝し、実りへの感謝と豊作の祈願が行われた。商売繁盛の御利益でも知られる稲荷神は、農業から商工業へと産業が移行した近代以降も幅広い人々の信仰を集めてきた。初午(はつうま)の日には稲荷祭が行われ、油揚げや稲荷寿司を供えて参拝する伝統が今も続いている。境内の朱鳥居が連なる参道は、つきみ野の住宅地の中でひときわ目を引く神聖な空間を形成しており、地域のシンボルとして親しまれている。現代的な住宅地の中に農村時代の信仰が生き続ける、生きた歴史の証しである。