善徳寺は大阪市北区中崎西に位置する日蓮宗の寺院である。日蓮宗は鎌倉時代の僧・日蓮聖人(1222〜1282)が開いた宗派で、法華経を唯一の経典とし「南無妙法蓮華経」の唱題を修行の中心に置く。大坂では天正年間(1573〜1593)に豊臣政権のもとで法華衆(法華宗)が一定の勢力を誇り、市中に多数の寺院を構えた。しかし天文法華の乱(1536年)では比叡山延暦寺との対立から多くの寺院が焼失するなど、波乱の歴史も経験した。善徳寺は中崎西の地域に根ざし、そうした歴史的変遷を経ながらも法華経の教えを守り、地域住民の信仰と葬祭の中心として機能し続けてきた。