大阪市北区曾根崎に位置する日蓮宗の寺院で、山号は光智山。通称「かしく寺」として知られ、江戸中期の遊女・かしくの墓があることで名高い。かしくは堂島蔵屋敷詰の武士に身請けされ追松町に暮らしていたが、酒乱癖が改まらず、寛延2年(1749年、一説には延享2年・1745年)兄に諫められて逆上し包丁で兄を刺殺、処刑された。刑場に向かう前、「私は酒で苦しむ人々の守り神になる」と誓ったと伝わり、処刑後に当寺に墓が建てられた。以来「墓石を少し削って煎じて飲ませれば酒癖が治る」との民間信仰が広がり、禁酒祈願の寺として現在まで全国から参詣者を集める稀有な信仰形態を伝えている。毎年3月18日のかしくの命日に行われる「かしく祭」は大阪の春の風物詩で、酒癖に悩む人々や飲酒を断ちたい家族の祈願で賑わう。本堂は明治44年(1911年)再建で大阪大空襲の戦災を免れ、江戸・明治・現代を生き抜いた貴重な木造建築。大阪メトロ東梅…