新宿区左門町18に鎮座する日蓮宗の寺院で、**歌舞伎『東海道四谷怪談』**(文政8年〈1825年〉4世鶴屋南北作、江戸市村座初演)の主人公**お岩様**の霊堂として庶民の畏敬を集める「於岩稲荷」の一つ。文政期の南北作『東海道四谷怪談』は、四谷左門町の御家人・田宮伊右衛門とその妻**お岩**(?-1636年伝)の悲劇を題材に、歌舞伎史上に残る怪談物の金字塔として四谷一帯を「四谷怪談」の聖地とした。当寺自体は戦災で焼失した栃木県沼和田の薬師堂を戦後移築・再建して開山した比較的新しい寺院だが、移築された薬師堂は**宝暦7年(1757年)銘の棟札**を持つ250年以上の歴史ある建造物で、境内には**お岩様ゆかりの井戸**(昭和32年新宿区文化財指定)や於岩様祈願の絵馬が多数奉納されている。四谷左門町には隣接して**於岩稲荷田宮神社**(お岩の住居伝承地)があり、陽運寺と田宮神社が共に四谷怪談ゆかり…