瑞泉寺は、鎌倉市二階堂の紅葉ヶ谷(もみじがやつ)に位置する臨済宗円覚寺派の寺院で、正式名称を錦屏山瑞泉寺(きんぺいざんずいせんじ)という。鎌倉を代表する「花の寺」として知られ、四季の花々が咲く境内は一年を通じて訪れる者の目を楽しませる。嘉暦2年(1327年)、夢窓疎石(むそうそせき、夢窓国師)によって創建された。夢窓疎石は鎌倉時代末期から南北朝時代に活躍した臨済宗の高僧で、七朝の天皇から国師号を贈られた希有な存在であると同時に、作庭家として日本庭園史にその名を刻む人物でもある。京都の天龍寺庭園(世界遺産)や西芳寺(苔寺、世界遺産)庭園など名園を数多く手がけたことで知られるが、瑞泉寺の庭園はその最も初期の作品として特別な位置を占める。夢窓疎石はこの紅葉ヶ谷の自然の地形に深い霊性を感じ取り、岩肌をそのまま彫刻のように削り出すことで禅の世界観を表現するという前例のない造園に挑んだのである。瑞泉寺…