芭蕉の俳句には「もののあわれ」「無常(すべては変わりゆく)」という感覚が流れています。
「夏草や兵どもが夢の跡」(平泉での句)
「古池や蛙飛び込む水の音」
「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」(辞世の句)
これらに共通するのは「人の命のはかなさ」「時間の流れの中での人間の小ささ」です。
研究者の中には「良忠の早逝が芭蕉に初めて本格的な「死」と「無常」を体験させ、それが後の俳句観の核心となった」と指摘する人もいます。
良忠の死後、芭蕉は京都で俳諧の第一人者・**北村季吟(きたむら きぎん)**に入門しました。季吟は当時の俳諧界の大家で、芭蕉はここで本格的な俳諧の技法を学びました。
そして1672年に江戸へ移り、独自の「蕉風俳諧」を確立していくのです。