茶室の外庭には蹲踞と呼ばれる低い手水鉢がある。茶室に入る前にここで手を清める。身を低くして水を使うことが名前の由来だ。清め方は神社の手水と同様で右手から洗う。「俗世の塵を落として清らかな気持ちで茶室に向かう」という意味を持つ大切な所作だ。
建仁寺(京都・東山)の茶席では、この蹲踞の清めを通じて茶室空間への「切り替え」を体感できる。
茶室の入口「躙口」は高さ約60〜70cmの小さな引き戸だ。千利休が設計したとされ、「茶室の前ではすべての人が平等になる」という精神の象徴だ。武士も刀を外し、頭を下げて入らなければならない。
2.
入ったら立ち上がらず、まず正面(床の間)に目を向ける
4.
畳の縁(へり)を絶対に踏まない(縁を踏むのは不作法)
着席前に必ず床の間を拝見する。床の間には掛け軸と花が飾られており、その日の茶会のテーマと季節感が凝縮されている。正面に向かい、扇子を膝前に置いて軽く頭を下げてから拝見する。亭主に「今日の掛け軸は何が書かれていますか」と問いかけることも、茶会の大切なコミュニケーションだ。
北野天満宮では毎年10月に「献茶祭」が執り行われ、床の間の飾りを通じた茶会の作法を感じることができる。
茶会には上座の「正客(しょうきゃく)」がいる。亭主との問答のほとんどは正客が担う。初めての参加では正客の席は避け、末客(まつきゃく)として正客の所作を観察するのが賢明だ。