**菅原道真公(845〜903年)**は、平安時代の公卿・漢詩人・学者として活躍した人物です。優れた学識で頭角を現し右大臣にまで昇りましたが、政争に巻き込まれ大宰府(現在の福岡県太宰府市)に左遷され、その地で没しました。
没後、都では天変地異が相次ぎ、道真公の怨霊によるものとされました。その霊を鎮めるために北野天満宮(京都)などが建立されたのが「天神信仰」の起源です。江戸時代以降、道真公が生前に持っていた卓越した学才が顕彰され、「学問の神様」としての信仰が全国に広まりました。梅を深く愛した道真公にちなみ、天満宮には必ず梅が植えられており、2〜3月の梅の季節は参拝の最好期となっています。
鎌倉にある荏柄天神社(鎌倉市)は、源頼朝が鎌倉幕府の守護神として崇敬した関東最古の天神のひとつです。境内の大銀杏は樹齢900年を超えるとされ、受験シーズンには合格祈願の絵馬が境内を埋め尽くします。
**宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)**は、もとは「穀物・農業の守護神」として信仰されてきた神様です。「稲荷(いなり)」という名は「稲が成る」に由来するとも伝えられ、豊かな実りの象徴として日本各地の農村に根付きました。江戸時代の商工業の発展とともに、稲荷神は「商売繁盛」「産業の守護神」としての性格を強め、現在では全国に約3万社の分社を持つ信仰となっています。
鎌倉では佐助稲荷神社(鎌倉市)が「出世稲荷」として知られています。源頼朝が挙兵前夜に夢の中でこの稲荷神のお告げを受け、平氏を討ち鎌倉幕府を開いたという伝説が残っており、出世・商売繁盛の願いを持つ参拝者が多く訪れます。朱塗りの鳥居が連なる参道は、伏見稲荷大社(京都府)の千本鳥居に通じる幻想的な雰囲気を今に伝えています。