鎌倉大仏の造形を丁寧に観察すると、仏教彫刻の約束事(アイコノグラフィー)が随所に現れます。
印相(いんそう): 両手は膝の上で重ね合わせ、親指と親指の先端を軽く触れさせています。これを**定印(じょういん)**または禅定印(ぜんじょういん)と呼び、「瞑想・禅定の状態」を象徴します。阿弥陀如来の像では「阿弥陀定印」とも言い、極楽浄土での瞑想を表すとされます。
螺髪(らほつ): 頭部に並ぶ小さな巻き毛の突起です。656個あると言われ、それぞれが蝸牛(かたつむり)のように右巻きになっています。螺髪は仏の三十二相(さんじゅうにそう)の一つで、知恵と悟りの象徴です。
白毫(びゃくごう): 両眉の間にある円形の突起(鎌倉大仏では銅板で表現)。仏が放つ光の源とされ、水晶・金・銀が用いられる場合もあります。
肉髻(にっけい): 頭頂の盛り上がり(髻相・けいそう)。智慧の高さを象徴します。
以下の表で、鎌倉大仏と奈良大仏の主な違いをまとめます。