猿田彦大神はなぜ「道開きの神」と呼ばれるのですか?
猿田彦大神が「道開きの神」と呼ばれるのは、『古事記』『日本書紀』に記された天孫降臨の神話に由来します。天照大御神の孫・瓊瓊杵尊が天から地上に降りようとした際、天と地の分岐点(天の八衢)に立って先導の役を果たしたのが猿田彦大神です。「あらゆる道の先頭に立って導く」という神格から、交通安全・開運・方位除けなど「人の歩み」すべてを守護する神として信仰されるようになりました。
深い関係があります。『日本書紀』に記された猿田彦大神の容貌——高い鼻、輝く眼、大きな体躯——が、山岳信仰・修験道が広まる中で「天狗」のイメージと重なっていきました。天狗は山中に棲む「道を知る異形の存在」であり、猿田彦大神の「道を先導する神」という性格と共鳴したためです。直接同一視されるわけではありませんが、天狗が道案内・方位除けのシンボルとして祀られる神社では、猿田彦大神との習合が見られることが多くあります。
猿田彦神社(伊勢)と椿大神社はどちらを先に参拝すべきですか?
どちらを先に参拝するかという定まった作法はありません。伊勢神宮の内宮参拝とあわせて猿田彦神社(伊勢市)を参拝するのが一般的な伊勢参りの流れです。一方、「猿田彦大神を主祭神とする最古の宮」としての格を重んじるなら、椿大神社から始めるという考え方もあります。大切なのは、順番よりも、それぞれの社に込められた祈りの意味を感じながら参拝することです。
あります。天鈿女命(芸能・縁結びの女神)を同祀する社が多く、猿田彦大神と天鈿女命は神話の中で出会いと縁をつないだ二神です。特に椿大神社の摂社・椿岸神社は「かなえ滝」を擁する縁結びの聖地として知られており、良縁・夫婦円満・子宝を願う多くの参拝者が訪れます。猿田彦大神の「道を開く」という神格は、縁という名の道を切り開くことにもつながるという祈りが込められています。