猿田彦神社の祭神——猿田彦大神(サルタヒコノオオカミ)とは何の神か
猿田彦大神(サルタヒコノオオカミ)は「みちびきの神」として、交通安全・旅行安全・開運・縁結びのご利益で知られる。三重県伊勢市に鎮座する猿田彦神社が全国の猿田彦大神信仰の総本社で、伊勢神宮の外宮・内宮と並ぶ伊勢参りの重要スポットである。
猿田彦大神が神話上で最初に登場するのは天孫降臨の場面である。天照大神の孫・瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が地上に降りる際、道の真ん中に猿田彦大神が立ち塞がり、天宇受売命(アメノウズメノミコト)が名前を問うたという逸話である。
猿田彦大神は「あらゆる道の先に立ちて 善き方へみちびく神」とされ、道の神・方角の神・導きの神として信仰される根拠がここにある。旅行・移住・転職・新規事業など、人生の「岐路」に立ったときに猿田彦大神に道案内を乞う習慣が根付いている。
猿田彦大神の容貌は記紀に**「鼻が長く赤い」**と記されている。この描写が日本独特の「天狗(てんぐ)」のイメージの原型になったとする説が有力である。高い山に住み、神通力を持ち、修験者と関わる天狗の性格は、猿田彦大神の「山の道案内神」としての原型から変容したものと考えられる。