多賀神社の御祭神は伊邪那岐命(イザナギノミコト)と伊邪那美命(イザナミノミコト)——日本列島を産んだ「夫婦の神様」である。全国の多賀神社の総本社は滋賀県犬上郡多賀町の多賀大社であり、「お多賀さん」の愛称で親しまれる縁結び・長寿・延命の名社として知られる。
日本神話の根幹をなす夫婦神を祀ることから、多賀大社は縁結び・長寿・延命・安産に霊験があるとされ、江戸時代には「お伊勢参りより お多賀参り」という言葉が生まれるほど庶民に愛された神社である。
二神はともに縁結びの象徴であるが、「縁切り」の側面も持つ。イザナミが黄泉の国(死の世界)に入り、イザナギが「決して振り返らないように」と言われながら振り返ってしまい、二神が永遠に分かれた——という神話が「縁切り」の由来とされる。
二神は天地開闢ののち、天の浮橋に立って矛で海をかき混ぜ、「おのごろ島」を最初の大地として生み出した。続いて淡路島・四国・九州・本州など日本の島々を次々に産み、さらに山・川・木・火など自然の神々を誕生させた。この神々の父母としての性格が「子育ての神」「安産の神」としての信仰につながっている。