横浜市金沢区町屋町の金沢八景駅近くに佇む日蓮宗の古刹で、正式には福船山安立寺と号する。建長5年(1253年)、清澄寺で立教開宗を果たした日蓮聖人が布教の旅の途上、武蔵国の野島浦(現・横浜市金沢区野島)に舟で上陸した際、この地で修験行者・悟明法印と出会い、法華経の教えを熱心に説いたのが草創の縁起。悟明は日蓮に深く帰依して出家、「安立院日悟」と号して自らの庵室を寺院へと改め当寺を開創した。文応元年(1260年)、日蓮の高弟で下総の豪族・富木常忍(後の日常上人)が日蓮聖人の尊像を自ら彫刻し悟明に授与、日蓮自身が開眼供養を行い「必ず感応あるべし」と語ったと伝わる。この尊像は「感応の祖師像」として本堂に今も安置され、祈願すれば確かな霊験があるとして800年にわたり信仰を集めてきた。山号の「福船山」は、日蓮聖人が金沢の海を渡った舟の故事に由来し、当寺は日蓮宗における「船中問答」の霊跡として全国の日蓮宗…