上行寺は応安元年(1368年)に創建された日蓮宗の寺院である。鎌倉時代、六浦は三浦半島と鎌倉を結ぶ海上交通の要衝として栄えた港町であり、朝比奈切通しを介して鎌倉へと通じる陸路の拠点でもあった。こうした交通・流通の盛んな地において、法華経の道場として当寺は開かれたとされる。南北朝期の動乱を経た室町時代初頭に創建されたこの寺は、日蓮宗の教えを六浦の地域住民に広める信仰の拠り所として根付いてきた。近世には江戸幕府の寺院体制のもとで法灯を維持し、地域の檀家信仰を支え続けたと伝わる。近代以降も日蓮大聖人の御法号を唱える法華道場としての性格を保ちながら現在に至っており、歴史ある六浦の地において地域住民の精…