天然寺は天文年間(1532〜1554年)、鎌倉光明寺19世・然誉然芳和尚が隠居寺として開いたと伝わる。然芳は鎌倉浄土教の中核を担った人物で、金沢天然寺のほか芹澤来迎寺(三浦)や三浦長安寺の開山にも名を連ね、永禄7年(1564年)に入寂した。光明寺の末寺に列することで、鎌倉・北条経時ゆかりの浄土宗大本山の宗風を六浦の地に根づかせた。江戸期には金沢三十四所観音霊場の第5番・第9番札所として巡礼者を集め、本堂には近隣の廃寺・観音堂から遷された仏像群が合祀されるなど、地域信仰の受け皿の役割も果たした。明治5年(1872年)には弘法大師筆と伝わる不動明王画像が寺に伝来し、寺宝となった。しかし安政5年(1…