万松院の前身は琉球王国時代もしくはその後の薩摩統治期(1609〜1879年)に成立したとされるが、詳細な創建年代は不明である。那覇は首里城の外郭都市として発展した地域であり、王府の外交・貿易を担う商人層が多く居住した。禅宗寺院は王府の正統な仏教として尊重される一方、商工業者の信仰も集めた。1879年の廃藩置県(琉球処分)後、沖縄の臨済宗寺院は本土の妙心寺派などに組み込まれ、宗務体制が再編された。1945年の沖縄戦で那覇市内は壊滅的な被害を受け、万松院も被災した。戦後の米軍統治期を経て復興し、現在は臨済宗妙心寺派の禅の教えを伝える地域の寺院として機能している。