長禅寺は大永元年(1521年)に創建されたと伝わる臨済宗の寺院で、甲府市内に位置する武田氏ゆかりの古刹である。開基については詳らかではないが、武田信虎の時代から武田氏との深い関わりを持つ寺院として知られる。天文4年(1535年)、武田信虎の正室・大井夫人(大井の方)がこの地で武田信玄を産んだとされ、寺は大井夫人ゆかりの場として後世に伝えられてきた。天文10年(1541年)、信虎が嫡男・信玄によって駿河へ追放された後も、大井夫人は甲府に留まり、信玄の治世を陰から支えたと伝わる。近世以降も甲府の地で法灯を守り続け、武田家の女性たちにまつわる歴史を今日に伝える史跡として位置づけられている。明治期の廃…