大聖院は大同元年(806年)、弘法大師空海が宮島に渡り開基したと伝わる、宮島最古の寺院である。真言宗御室派の大本山として、厳島神社の別当寺の役割を担い、神仏習合の拠点として島の精神文化を長く支えた。平安時代以降、朝廷や貴族の崇敬を集めたとされ、中世には毛利元就ら戦国大名も深く帰依した。近世に入ると豊臣秀吉が文禄元年(1592年)の朝鮮出兵前に戦勝祈願を行ったと伝わり、秀吉自筆の書状など寺宝が現在も残る。江戸時代を通じて広島藩主浅野氏の保護を受け、堂宇の整備が進んだ。明治維新の神仏分離令(1868年)により厳島神社との制度的関係は断たれたが、寺院としての法灯は絶えることなく続いた。現代においても…