京都府乙訓郡大山崎町の円明寺地区に位置する東寺真言宗の寺院。山号は医王山。本尊は薬師如来坐像(脇侍:日光菩薩・月光菩薩)。奈良時代の山岳修行者・泰澄の開創に由来するとも、平安後期の寛済による創建とも伝わる。康平5年(1062年)の文書に「円明寺住僧」の記録があり、少なくともこの頃には寺として機能していたことが確認できる。寛喜2年(1230年)、歌人・藤原定家が西園寺公経とともに参拝し、その様子を日記『明月記』に記した。当時の公家社会において薬師霊場として知られ、九条道家も訪れて堂舎を建立するなど、貴族たちの信仰を集めた。室町時代の応仁の乱(1467〜1477年)以降に衰退し、長らく荒廃したが後に再興された。楼門(上層に鐘楼を設ける二重門)が特徴的な構造を持つ。