国司神社は、武蔵国府が置かれた府中の地において、国司が赴任の際に国政の安泰と五穀豊穣を祈願した神社と伝わる。創建年代は不明であるが、武蔵国の国府が整備された奈良時代(8世紀前後)以降に、国司の祭祀に関わる神社として成立したとされる。武蔵国府は現在の大國魂神社周辺に所在したと考えられており、発掘調査によって国衙関連の遺構が確認されていることから、当社はその信仰空間の一翼を担っていたとみられる。中世以降、国府機能の衰退とともに武蔵国内における国司の権威も変容したが、当社は大國魂神社の境内社として祭祀の継続が図られてきた。近世には大國魂神社の管理下に置かれ、境内の一社として存続した。明治時代の神社制…