願成寺は天文7年(1538年)に元祐が開山したと伝わる高野山真言宗の寺院である。本尊は秘仏の延命地蔵尊。寺伝によれば、奈良時代の天平年間(729〜749年)、諸国を巡った行基菩薩がこの地で喉の渇きに苦しんだ際、渓谷から一匹の亀が現れて水のありかを教えたという。この故事にちなんで山号を「法亀山」と称すると伝わる(この伝承を伝えるのは寺伝が主で、断定はできない)。境内には今も「延命水」と呼ばれる古井戸が残り、延命地蔵尊の信仰と結びついて、延命・除災を願う人々に親しまれている。戸部の丘に静かに法灯を守る寺である。