さいたま市見沼区大字蓮沼に鎮座する神社で、天照皇大神を祭神とする。猿ヶ谷戸の小名に鎮座し「猿ヶ谷戸神明神社」とも呼ばれる。江戸後期の地誌『新編武蔵風土記稿』にすでに記録されており、伊勢神宮の御師が頒布する御祓大麻を村人が奉斎したことに起源を持つ伊勢信仰の社である。
かつて別当寺として南中野の正福寺がこの神社を管理し、神仏習合の時代の祭祀形態を今に伝える。明治初期には無格社に定められたが、昭和19年(1944年)に村社へ列格し、地域における格式が公式に認められた。
社殿再建の記録として特筆されるのが明治13年(1880年)の造営で、棟梁・松沢伊与吉がわずか21日間で社殿を完成させた。同年10月には発起人の田島文右衛門ら13名の名を連ねた太々御神楽奉納絵額が奉納され、職人の技と氏子の信仰の深さを物語る歴史資料として今も伝わる。境内には稲荷神社と弁天も祀られ、地域信仰の重層性を守り続けている…