浄瑠璃寺は奈良時代の713年(和銅6年)に創建されたと伝わる古刹である。創建については、行基菩薩が開いたとする説と、弘法大師空海が薬師如来を自ら刻んで開基したとする説の二つが並び伝えられており、いずれも確証はなく「伝承」の域にとどまる。寺号は薬師如来の浄土である「浄瑠璃光浄土」に由来するとされる。中世以降は松山周辺の豪族や領主の庇護を受けながら法灯を維持したと考えられるが、詳細な記録は乏しい。近世には四国遍路の第46番札所として定着し、遍路文化の中で重要な位置を占めるようになった。江戸時代には松山藩の支援のもとで伽藍が整備されたとされる。明治期の神仏分離令による影響を受けながらも廃絶を免れ、現…