仙遊寺は天智天皇2年(673年)、勅命によって創建されたと伝わる古刹である。当初は「仙遊山密厳院」と称し、千手観世音菩薩を本尊として祀ったとされる。平安時代初期、弘法大師空海が四国巡錫の折にこの地を訪れ、仙人が遊ぶような幽玄の境地であると称えたことから「仙遊寺」の寺名が定着したと伝えられる。中世には兵火や天災により堂宇が荒廃した時期もあったとされるが、歴代の住職や地域の篤信者によって再興が繰り返された。近世には伊予の山岳霊場として四国遍路の重要な拠点となり、第58番札所として広く知られるようになった。近代以降も宿坊を整備し、遍路宿として多くの巡礼者を迎え続けている。現在、境内は標高約300mの…