泰山寺は、弘法大師空海が弘仁13年(822年)に創建したと伝わる四国八十八箇所第56番札所である。その創建にまつわる伝説として、かつて近隣を流れる蒼社川が毎年氾濫し、多くの住民が水難に苦しんでいたと伝わる。大師はこの惨状を見て護摩を修法し、治水工事を発願・成就させたとされ、以来「水難除け」の霊場として広く信仰を集めるようになった。寺名「泰山」は「安住の地」を意味するとされ、住民の苦難が救われたことへの感謝と祈念が込められている。本尊は地蔵菩薩であり、水難除けや旅の安全を祈願する信仰の対象として、中世・近世を通じて今治地域の民衆に親しまれてきた。近世には土佐藩主山内家などの庇護を受けたとも伝わり…