観音寺は703年(大宝3年)、行基菩薩が聖観世音菩薩を刻んで創建したと伝わる古刹である。その後、9世紀初頭に弘法大師空海が巡錫の折に立ち寄り、伽藍を再興したとされ、四国八十八箇所第69番札所として定められた。隣接する第68番札所・神恵院と同一境内を共有するという全国でも極めて稀な形態を今日に伝えている。中世には兵火や天災により堂宇の衰退と再建が繰り返されたと伝わるが、詳細は不明な部分も多い。近世に入ると、境内背後の琴弾山山頂付近に広がる有明浜の「銭形砂絵(寛永通宝)」が寛永10年(1633年)に一夜にして作られたとされ、以降は財運・長寿の霊場として遍路や庶民の信仰を集めた。明治期の神仏分離令の…