洞岩寺は天王寺区夕陽丘町に位置する曹洞宗の寺院である。「洞岩」という寺号は、禅の修行の場として用いられた山岩の洞窟(岩窟)をイメージさせ、悟りを求めて山中に籠もる禅者の姿を連想させる雅号である。禅宗においては「石上露地」「岩頭」など岩や石にまつわる禅語が多く、そうした精神的土壌が寺名に反映されている。夕陽丘は天王寺区の中でも緩やかな丘陵地形を持ち、眺望の良さから古くより寺院が建立されてきた。洞岩寺は近世の大阪において曹洞宗の禅の道場として成立し、坐禅・読経・法話を通じた修行の場を提供してきた。近現代の都市化の進展の中でも法脈を守り、地域の菩提寺としての役割を担い続けている。