三島市に所在する言成地蔵(いいなりじぞう)は、願いを言えば必ず叶えてくれるという言い伝えを持つ地蔵尊で、「言成り」すなわち「言葉が成就する」御利益が信じられてきた。地蔵菩薩は子供の守護・旅人の安全・現世利益の仏として日本全国に広く信仰されており、三島の言成地蔵もその霊験あらたかな地蔵として地域の人々の信仰を集めてきた。東海道の宿場町として栄えた三島は多くの旅人が行き交う場所であり、旅の安全を祈願する人々がこの地蔵に手を合わせてきた歴史がある。小さな祠ながら、地域の日常的な信仰の場として大切に守られており、受験合格・縁結び・商売繁盛など様々な願いを持つ人々が訪れる。三島の下町文化の中に生きる庶民信仰の象徴的な存在である。