東光寺は、天正年間(1573〜1592年)に創建されたと伝わる真言宗豊山派の寺院である。創建の詳細な経緯は明らかでないが、中山道の宿駅として整備された板橋宿の形成期と重なることから、宿場町の発展とともに地域の信仰の場として根付いていったとされる。本尊は大日如来であり、旅の安全を願う旅人や地域住民の祈りを受け入れてきた。近世に入ると、板橋宿は江戸と諸国を結ぶ交通の要所として繁栄し、当寺もその恩恵を受けながら宿場の寺院としての役割を担った。境内には享保年間(1716〜1736年)に建立されたとされる庚申塔が現存しており、近世庶民信仰の広まりを示す石造文化財として今日に伝わる。明治以降の近代化と板橋…