地蔵院は島本町桜井に立地する曹洞宗の寺院で、地蔵菩薩を本尊として祀る。地蔵菩薩は衆生救済の誓いを立て、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の六道を巡り苦しむ者を救う菩薩として、平安時代以降に民衆信仰として各地に広まった。桜井は1336年(建武3年)の「桜井の別れ」で知られる歴史の地であり、楠木正成が子・正行と永訣した場所として後世に語り継がれてきた。交通の要所に当たる桜井においては、旅の安全を守る地蔵菩薩への信仰が自然に根付いたと考えられる。曹洞宗の禅の修行を実践しつつ、地蔵菩薩の慈悲信仰を地域に伝える場として、地蔵院は長く桜井の人々の精神的拠り所となってきた。