楊谷寺の創建は寺伝によれば大同元年(806年)、清水寺を開創した延鎮(えんちん)僧都が当地にて十一面千手観音の霊験を感得し草庵を結んだことに始まる。後に空海(弘法大師)がこの地を訪れた際、境内の独鈷で岩を打って湧き出した水で眼病の猿の母子が治癒したという伝説が生まれ、この水を「独鈷水(おこうずい)」と呼んで眼病平癒の霊水として広く知られるようになった。空海は当寺で修行し、以後「眼の観音さま」「独鈷水」の信仰が確立した。平安時代以降、皇族・貴族から庶民まで眼病祈願に訪れる参拝者が絶えなかった。中世から近世にかけて西山三山(光明寺・楊谷寺・善峯寺)の一つとして長岡京西山の信仰圏を形成し、武家・庶民…