浄土寺は推古天皇24年(616年)、聖徳太子によって創建されたと伝わる。尾道を代表する古刹のひとつであり、創建以来、この地の仏教信仰の中心として栄えてきた。鎌倉時代には大規模な整備が行われ、現存する本堂(阿弥陀堂)は14世紀初頭の建立とされ、多宝塔とともに国宝に指定されている。これらの建築は鎌倉時代の和様建築の粋を今に伝える貴重な遺構である。南北朝時代の1336年(延元元年)、室町幕府を開いた足利尊氏が九州から東上の途次に当寺に立ち寄り、湊川の戦いに臨む前に戦勝祈願を行ったと伝わる。これ以降、同寺は足利氏との縁が深い寺院として広く知られるようになった。近世には尾道の町衆の信仰を集め、境内は尾道…