天寧寺は貞治6年(1367年)、室町幕府第2代将軍・足利義詮が普明国師(石屋真梁)を開山として創建した曹洞宗の寺院である。創建当初から有力な武家の帰依を受け、尾道における禅宗文化の拠点として栄えた。境内の海雲塔(天寧寺塔)は永徳2年(1382年)に建立されたとされ、もとは五重塔であったと伝わる。その後、元禄5年(1692年)に上層二層が取り除かれ、現在見られる三重塔の姿となった。この形式は全国的にも稀有であり、国の重要文化財に指定されている。江戸時代には境内に羅漢堂が整備され、表情豊かな五百羅漢像が奉納された。明治期の廃仏毀釈の影響を受けながらも寺観を保ち、近代以降は尾道の文化・景観を象徴する…