創建年代は明らかではないが、新宮最古の寺院の一つと伝わる。当初は古松庵と称し、後に光正庵(広正庵)と改称された。戦国時代から江戸初期にかけて新宮を支配した堀内氏の治世期(16世紀後半〜1600年)、泉州堺から材木廻船問屋・成川屋佐兵衛が新宮に移住した。佐兵衛は熊野川を通じた木材海運業(杉・桧等の熊野材を大坂・江戸へ運ぶ廻船業)で巨利を得た後、荒廃しつつあった光正庵を私財で全面建て替えした。慶安4年(1651年)、佐兵衛没後に住職・凉山がその功を讃え、戒名「成林院体無常居士」から「成林」を取って寺号を改め、護神山成林寺が誕生した。江戸時代を通じて新宮の禅宗寺院として地域住民の信仰を集め、同じ臨済…