覚成院は台東区上野公園に位置する天台宗寺院で、寛永寺の塔頭のひとつである。「覚成」とは悟りを成就すること、修行の積み重ねによって仏の悟りが完全に成就された境地を意味する。天台宗の修行体系では、止観・礼拝・陀羅尼など多様な実践を通じて修行者が仏の覚悟と同一化することを目指しており、「覚成」の院名はその修行の完成を体現している。寛永寺は17世紀初頭から幕末まで約240年にわたって徳川家の宗教的支柱であり続け、歴代将軍の帰依のもとで子院群も整備・発展した。1868年の上野戦争ではその中心的伽藍が失われたが、覚成院は明治以降も法灯を守り続け、現在は上野公園内で静かに参拝者を迎えている。