元弘年間(1331〜1334年)、鎌倉時代末期に創建されたと伝わる古社。市杵島姫命を祀り、弁天社としても知られる。創建当初は海辺に近い地に鎮座し、漁業や海運に携わる人々から海上安全・大漁祈願の社として厚く信仰された。江戸時代には「洲崎弁天」の名で庶民に広く親しまれ、隅田川河口付近の景勝地として歌川広重らの浮世絵にも描かれた。18〜19世紀を通じて多くの参詣者を集める名所であった。明治以降、周辺の埋め立てが進み海辺の景観は失われたが、社は木場の地に継続して祀られてきた。境内には過去の津波の高さを刻んだ波除碑が残り、江戸・明治期に発生した水害の記憶を現代に伝える貴重な石造遺構となっている。現在も江…