太平稲荷神社は、東京都墨田区太平に鎮座する稲荷神社で、宇迦之御魂命を主祭神とする。創建年代は定かでないが、江戸時代にはすでにこの地に祀られていたと伝わり、本所エリアの農業・工業・商業に携わる人々の守護神として信仰を集めてきたとされる。江戸期の本所・錦糸町周辺は低湿地の開発が進み、町人文化が根付いた下町として発展した地域であり、当社もその生活圏の中で地域の氏神的な役割を担ってきたと考えられる。明治維新後の近代化や関東大震災(1923年)、第二次世界大戦中の戦災など、幾多の困難を経ながらも、地域住民によって守り続けられてきたとされる。戦後の復興とともに錦糸町が商業・業務地区として発展するなかで、当…