高野山霊宝館は、大正10年(1921年)に高野山開創1100年を記念して設立された、日本最古級の仏教美術専門の収蔵施設である。高野山は弘仁7年(816年)に空海(弘法大師)が嵯峨天皇より賜った地に開いた真言密教の聖地であり、以来1200年以上にわたり多数の堂塔・坊舎が建立され、膨大な仏教文化財が蓄積されてきた。しかし山上の気候や保存環境の問題から文化財の散逸・劣化が懸念されたため、高野山一山の総意により一括管理・保存を目的とした施設として霊宝館が開館した。開館以来、全国の高野山関連寺院から仏像・仏画・経典・工芸品などが順次収集・移管され、現在は国宝21件・国指定重要文化財148件を含む約10万…