大阪市東成区大今里西に鎮座する神社で、主祭神は伊弉諾尊・伊弉冉尊・速玉男命・事解男命の熊野四社権現。社伝によれば大宝元年(701年)、大和時代からの修験者・役小角(役行者)が大峯修験から帰路にこの地に熊野権現を勧請したのが始まりと伝わる古社。古来「大今里の熊野さん」と呼ばれ、江戸時代には摂津国東成郡大今里村の産土神として厚く信仰された。境内には江戸期の石造狛犬・石鳥居・庚申塔などが残り、近世農村の鎮守としての趣を今に伝える。熊野三山への信仰が大阪に広まった歴史を物語る神社で、紀州熊野古道参詣の江戸庶民の信仰と繋がる地域史の証人。毎年7月の夏祭りには神輿渡御が行われ、大今里・中道・鶴橋東部の下町祭礼文化を今に伝える。