横浜市中区元町5丁目に鎮座する元町の鎮守社。祭神は宗像三女神(市杵島姫命・多岐理姫命・多岐都姫命)に木花開耶毘売命を加えた四柱で、芸術・縁結び・商売繁盛・安産の御利益で知られる。かつては「杉山弁天」とも称され、弁財天信仰と習合した歴史を持つ。境内は元町仲通りに面した静かな一角に位置し、朱塗りの社殿が元町商店街の喧噪の中に凛とした神域を形成している。JR石川町駅から徒歩約5分、元町・中華街駅から徒歩約7分という好立地にあり、地元の商業者や観光客が日々参拝に訪れる。関東大震災と太平洋戦争の戦災で二度にわたって社殿を失ったが、戦後に氏子の熱意により鉄筋コンクリート造の社殿が再建され、今日も元町の守護神として崇敬を集めている。
元町嚴島神社の起源は、治承年間(1177〜1181年)に遡ると伝わる。源頼朝が伊豆国から弁財天を勧請したことに始まり、元横浜村洲干島に「清水弁天・洲干弁天」として鎮座していたとされる。元禄年間(1688〜1704年)に洲干弁天社の御神体が分祀され、元町1丁目の別当寺・増徳院(真言宗)の境内に仮殿が設けられ「上之宮杉山弁天社」と称された。明治維新の神仏分離令(1869年)により増徳院から独立し、元町1丁目15番地に社殿を造営して「厳島神社」と改称、村社に列せられ元町の鎮守となった。大正12年(1923年)の関東大震災により社殿は焼失し、その後昭和初期には元町5丁目208番地に仮殿を経て本建築の社…