涌泉寺は、延暦年間(782〜806年)に伝教大師最澄が松ヶ崎の地に開いた道場を起源とすると伝わる。当初は天台宗系の道場として機能していたとされるが、中世に日蓮宗へ改宗し、現在に至る寺格を整えたと伝わる。松ヶ崎の集落における精神的中心として地域住民の信仰を集め、五山送り火のうち松ヶ崎に灯される「妙」「法」二字のうち「法」の字の送り火を管轄する寺院として、地域と深く結びついてきた。毎年8月16日に行われる送り火の行事は、長年にわたり松ヶ崎の住民によって継承されてきた。また、境内で伝承される題目踊り・さし踊りは、日蓮宗の信仰と結びついた伝統的な民俗芸能として今日に受け継がれ、京都市無形民俗文化財に指…