金剛院は、平安時代初期の承和年間(834〜848年)ごろ、弘法大師空海が東国を巡錫した際に開創したと伝わる。創建はおよそ830年代とされ、真言密教の道場として常陸国の農村地帯に根を下ろした。中世には関東一円に勢力を持った真言宗寺院のネットワークのなかで法灯を維持し、地域の信仰を支えたと伝えられる。近世には江戸幕府の宗教統制のもと、真言宗豊山派の末寺として組織に編入され、檀家制度を通じて地域社会との結びつきを深めた。行方台地の稲作農村においては、豊穣祈願の加持祈祷の道場として機能し、農民の信仰を集めてきた。明治期の神仏分離令以降も寺院としての体制を維持し、近代に入ってからは護摩修行の道場としての…